最近,本を読んでいて,なるほどなあと思ったこととして,書くことによる知識の変革,というものがあります。弁護士という職業柄,文章を書くことが多いので,非常に興味深い内容でした。
それは,文章を書く過程というのは,表現したいことに合わせてぴったりとした表現を選び,あてはめていくものではない,ということです。つまり,語の選択と認識過程の関係は,つくりつくられるダイナミックな双方向的な活動だ,というのです。確かに,経験的にも,文章を何度も推敲して表現を練っているうちに,当初は認識していなかったことに気づくということがよくあります。この気づきが伴うと,書き手の知識が変革されるのだそうです。
もっとも,この気づきは,自分の考えと言葉の往復作業を通じて生じるので,他人が指導することはできないとか。根気よく自分と向きあうしかないようです。
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